ワールドカップとJリーグ発足

 

現在サッカーのワールドカップが開催中で、日本が負けてしまった現在でも多くの人が話題にしています。

日本代表は、決勝リーグ進出を果たせなかったのですが、40才前後以上でワールドカップを見続けている人は、1998年から連続して出場していることを奇跡のよう思っているでしょう。

 

私がワールドカップを見始めたのは1986年のメキシコ大会ですが、当時日本代表は一度も出場経験が無く、私は出場は永遠に出来ないのではないかと思っていました。

さらに、日本を負かして出場した韓国、イラクグループリーグでも1勝も出来ずに終わるのを見て世界との差を痛感したものです。

1990年のイタリア大会も、アジア代表のUAEと韓国は一勝も出来ずに終わっています。

 

そのような中1993年にサッカープロリーグのJリーグが発足しました。

当時は設立前から「失敗するのではないか」「早すぎる」と言う声が大半の意見で、

サッカーを見るのが好きな私自身も、失敗するのではないかと思っていました。

 

そのJリーグが発足した年のワールドカップアジア最終予選で、「ドーハ悲劇」といわれる試合で残念ながらギリギリでワールドカップ出場を逃しましが、その後のワールドカップにはすべて出場しているのです。

 

明らかに、現在の日本代表の連続出場は、Jリーグ効果と言え当時まだ早いと言われながら、Jリーグを強い意志で設立しここまで維持してきた方々の功績でしょう。

当時マスコミのインタビュー等を受けていた川淵チェアマンが、「何年経っても時期尚早」といって、先行してプロを作りそれによって強化してゆくという強い意志をもって答えていたのを思い出します。

 

話は変わりますが、現在の日本の大企業は二極化しているように見えます。

武田薬品サントリー、角川のように、生え抜きで優秀な人もたくさんいる中、

トップを外部から呼んで、自ら変化して行き世界で戦おうとしている企業と、内向きになって変われない企業に分かれています。

 

リスクを取って新しいことを創り出して行くことは、特に日本の大企業の幹部のように一定年齢を超えると辛いことかも知れません。

しかし、リスクを取ってJリーグを1993年に発足させたことにより、サッカーの日本代表は1998年には初のワールドカップ出場を果たし、2002年には決勝トーナメント進出しているのです。

 

グローバル化とIT化によって世界は急激に変わり、10年前より世界との関係性は増して、全く違う世界になっていると言っても過言ではありません。

これに対応できる組織作りが日本企業では出来ているのでしょうか?

リスクを取ってでも新しいものを創りだすという強い意志はあるのでしょうか? 

 

起業を促すような雰囲気に世の中はなっていますが、既存の大企業の方が圧倒的に資金面、人材面、情報力、失敗に対する耐性も持っています。

但し、社内競争のために減点主義で新しいことがやりにくいことと、新しいことを成功させたときにメリットが無いことにより、モチベーションと責任感をもって新規事業をやる環境が無いのでしょう。

 

今後、日本は少子化団塊の世代の高齢化により、さらに内需は萎んでゆくことが確定しています。

日本企業は1社1社が日本代表で戦っているという危機感で、世界での存在感を増していって欲しものです。