大学の在り方

首都圏を中心とする私立大に2013年春に入学した下宿生への仕送り額の月平均は、8万9千円で、13年連続で減少したそうです。

1986年度の調査開始以来の最低を更新しピークの94年度(12万4900円)と比べると3割近く減りました。

 

自分自身、親の経済的理由で学費に苦労した(自分で稼いだ)こともあり、このようなことには非常に気になります。(首都圏在住で無ければ、大学進学は諦めていたでしょう。)

きっと、この金額でも自分達の生活を切り詰めて仕送りをしているご両親、足りなくて皆が遊んでいる中バイトに明け暮れている学生も多いことでしょう。

 

それに対して、大学というところの無価値さはどうでしょう。

理系については違うかもしてませんが、文系はほとんど「学歴」と言うものを、お金と4年の時間を提供して購入していると言っても過言ではありません。

 

学歴によって企業が採用の選別をすることの議論は、ある程度合理性もあるのでここでは論じませんが、内容が無くても入学難易度が高い大学のブランドで採用するなら、全国共通就職試験などを行って、企業が必要とするスキルの点数が高い人を採用すれば良いのではないでしょうか。

 

そうすれば、お金が無い人は現在はネット上で公開されている講義もあり、独学で様々なスキルを身に着けることも出来ますし、一回就職してから挑戦することも出来ます。

 

企業は大学卒業に何を求めているのでしょうか。

もし共通就職試験が出来ないとしても、有名大学に入るペーパー的な能力で書類選考をするなら、自社で作った(または自社で外注した)試験を受けてもらい選抜する方が、内容も自社のニーズに合わせられるので合理的ではないでしょうか。

大学は入学する力が問われる場所なのですから。

 

このようなことになるのは、大学同士の教育内容による競争が無いことが一番の理由でしょう。

大学のランクは入学難易度により決まり、それはある程度固定化されていたり、イメージにより決まる要素が多く、教育を充実させても大学の経済的利益にならないどころか、中退者が出たり人気が落ちたりしてマイナスになるからです。

 

現在、情報がこれだけオープンになっている中、高いお金を出して苦労して大学を卒業する意味はどんどん薄れてゆくでしょう。

そして、アジアの国々の力もついて、野心的で若者の能力のある人材も増えて、日本の競争力も試されることになります。

 

そんな時代に、日本の大学卒業ということは何の役に立つのでしょう。

 

少子高齢化する日本は、もう国内に閉じこもってはいられません。

日本企業の売り上げの海外比率も増えて、国内の空洞化も起こってきます。

そのような中、この借金漬けで少子高齢化の国には、「人」か「マネー」が海外から入ってこないと成り立ちません。

 

少しずつ変わってはいるのでしょうが、世界市場で勝てる教育に早くシフトして、「苦労して学費を払って良かった」という教育に変わっていって欲しいものです。