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「第五の権力」を読みました

  

2001年~2011年まで、GoogleのCEOを務め現在会長である、エリック・シュミット氏と2006年~2010年まで、アメリカの国務長官の政策アドバイザーを務めた、ジャレット・コーエン氏の共著である、「第五の権力~Googleには見えている未来」を読みました。

 

題名の第五の権力というのは、国家の司法・立法・行政の三権力と第四の権力と言われた報道機関、そして2025年には世界のほとんどの人がインターネットにつながると、第五の権力を握るかも知れないということです。

 

まず、ビジネスについては、インスタント翻訳とバーチャルリアリティ技術を利用し、言語や住んでいる地域が違う人同士も、より身近に感じ世界の人材が共同で作業をすることによって、人材の発掘やユニークな発想によるイノベーションが生まれるだろうと述べています。

 

教育については、途上国では子供や大人向けの基本的な読み書き、第二言語、大学レベルの高度な授業などを教える、試験的プロジェクトを実施しており、2012年にMITメディアラボがエチオピアで試験的に導入し、必要なツールがあらかじめインストールされたタブレットを、何の指図も与えず、教師の付き添いも無い状態で、学齢期の子供に配り、数か月で文法的に正しい英文を書いた事例を挙げています。

 

今まで、先進国の人々は、自分たちが何かが優れているという錯覚をもって、他の国のことを見ていましたが、ジャレド・ダイアモンドが「銃・病原菌・鉄」で述べているように、能力の差はなく偶然の重なりで現在の差がついたのだとしたら、世界がつながることによって更に世界の変化は加速し、それをうまく取り込んだ国や企業が勝ち残るようになるのでしょう。

 

後半は、革命について、アメリカの元国家安全保障問題担当大統領補佐官のキッシンジャー氏の「過去の革命ではそれまでの権威が破壊されればされるほど、権威が回復されやすい」と述べられていることや、今までの革命が周到な準備や組織の構築を経て起こっていることを比較し、インターネットは革命を容易にするが、成功は容易ではないと言っています。

また、紛争地からの発信が容易になり世界に伝わりやすくなるが、真実かどうかの認証をする権威が必要になるだろうと予想しています。

 

日本は、少子高齢化という課題を抱えているので、もっと外に目を向けた方が良いのかも知れません。

そこは、才能の原石がたくさん埋もれている宝の山なのですから。

 

国の成り立ちが全く逆と言っても良い、アメリカと日本ですが、IT分野の遅れと、世界人材の活用は今後日本の強みにも弱点にもなりえます。

 

日本企業が活躍の場を海外に求めている現在の状況、国を挙げての観光客の勧誘や東京五輪、この本に述べられているようなインターネットでの世界のつながりの加速を考えると、国内の日本人も世界に向ける目を持たなくてはいけないと考えさせられました。

 

本の後半が、革命、テロ、紛争にさかれていたのが個人的には少し残念でした。

もう少し社会や経済について書いて欲しかったですが、共著者が元国務長官の政策アドバイザーではしょうが無いですかね。