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ドイツ④ ドイツと移民とイラン

ドイツの移民問題への対応は非常に模範とすべきことだと思いますが、国家と言うのは国に利益をもたらす装置でもあります。

一般的に言われているように、少子高齢化と経済好調を理由にドイツまで自力で来るある程度の質を伴う労働力が欲しいと言うことももちろんあると思いますが、効果を得るまでの痛みもドイツは十分に知り尽くしているはずです。

世論の後押しはあるとはいえ、人道主義と労働力が欲しいということだけで移民を受け入れているのでしょうか?

 

難民問題の進捗が急速過ぎて不自然だと前回書きましたが、その裏側にはイランとの核協議が関係してくるのではないでしょうか。

 

2015年7月14日に安保常任理事国5か国とドイツは、イランとの核開発をめぐる協議に合意しました。今後は徐々に制裁を解除されて、埋蔵量世界4位の石油資源と中東一で世界18位の7,800万人の市場が開放されることになります。

イランは、紀元前550年に成立したと言われるペルシャ帝国の末裔で、アラブ世界と見られがちですがペルシャ語を話し、非常に文化的な民族であると言われています。

 

その核問題合意後のイランに、一番乗りで出向いたのはドイツのガブリエル経済・エネルギー相兼副首相とダイムラーフォルクスワーゲンシーメンスなどのドイツ企業幹部総勢60名です。

ドイツはもともと制裁前は、西側では一番の貿易相手国でイランとのつながりは深い国です。

 

そして、国際世論から非難されているシリアのアサド政権をイランは支援しています。

 

シリア難民が増えた今月に入ってから、難民のドイツへの移動に協力的なオーストリア外相がイランを訪問しアサド政権を取り込むべきだと述べており、スペインの外相が民間企業40社の代表と共にイランを訪問しアサド政権と交渉すべきだと述べたと伝えられています。そして、アサド政権の一番の支援者とされるロシアが9日にシリアで戦闘に加わったということです。また、このタイミングでアメリカ議会もイラン核合意を問題なく手続きを勧められる運びとなり、イギリスの外相もアサド政権に対して態度を軟化させている発言をしているようです。

 

イランと仲良くなりたい各国は、今までと違いアサド政権を少なくても当初のように敵対しない、と言う流れが規定路線になりつつあるように見えます。

 

それで、イランからアサド政権継続の障害になる知識人層の受け入れを求められ、ドイツが受け入れやすい能力や資産がある人が、シリア国内から脱出できるような段取りを取り易くしているということではないでしょうか。注目すべきは今移動している人はテレビなどで見て解るように難民キャンプに逃れた人や貧しい人ではありません。それなりにお金がある人が「急にまとまって動き出した」のです。

そう考えれば、イランとの取引拡大が見込めるドイツが1月から6月で21万人だった難民を年間80万人受け入れと拡大することをわざわざ発表したことも理解できます。

逆にメリットが少ないと思われる中・東欧が協力的でないのも世論の反応もありますが、イランとの貿易などでのメリットが無いからと見ることも出来ます。

 

自分でも少し「こじつけ」だと思っているので、空想話しとして読み流してください。但しイラン核協議の合意はタイミングがタイミングなので何かしら関連しているような気もします。また、シリア周辺国や国際援助機関が支えきれなくなったという人も多いですが、そしたらもっと堂々と主張すると思いますし、前回書いたようにここまでの急変は無いでしょう。ロシアのシリア攻撃参加も関連している可能性もありますが、それもイランの核協議の合意があってこそのことだと思います。一連の難民関係の状況の変化の本当の理由は解りませんが、今後もイランの動きは注目ですね。

 

今回は先月のドイツ旅行の中から、オーストリアチェコの国境に近い街パッサウの写真を載せておきます。

ドイツのシュヴァルツヴァルト(黒い森)で生まれたドナウ川は奥に流れているイン側とここパッサウで合流し、オーストリアスロバキアハンガリーなどを通りルーマニアから黒海に注いでいます。

 

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