ポーランドが目立ってきた

 

年末年始にスリランカ旅行に行ってきたわけですが、行った国の旅行者がどの国から来ている人が多いかがいつも気になるのですが、今回は観光案内所の利用者ノートや宿の宿泊者ノートを見てみましたが、数は少数ですが今まであまり見かけなかったポーランド人が目につきました。

 

帰国後にNHKのBS国際報道という番組でEUの優等生ということで特集されていましたし、日経の電子版で取り上げられているFinancialTimesの翻訳でも先週記事が出ていました。

 

ポーランドはご存じの通り、第二次世界大戦後に共産圏に組み込まれ、1989年に民主化、2004年にEU加盟を果たしました。

 

当初は、EU各国への人材の流出が続いたようですが、EUから支給される補助金でインフラ整備や航空産業の振興に重点的に投資して、経済発展を果たしました。

また、1月23日付けのFinancialTimesで中国、インドに続く第3位のアウトソーシング市場になってきており、金融業のバックオフィスとしてEU圏内であることや、ドイツの隣国であることも有利に働き成長しているそうです。

 

また、昨年11月22日のEconomistを翻訳した記事にも1989年の民主化以降で経済規模が2倍になっており、まだ課題も多いながらも小規模なドイツ企業を買収する企業やドイツに鉄道の車両を輸出する契約を結んだとも書いてあります。

 

EU圏内にあり、EUの補助金が得られることと人や物の移動が容易であること、EU内最大の経済大国ドイツと国境を接していることなど、これからの成長が期待されます。

経済成長にするに連れて、国外に流出した人材も一部戻ってきており、国としても出戻りを推奨しているようです。

 

また、昨年12月からドイツのメルケル首相の強力な後押しで、欧州理事会常任議長にポーランドのトゥスク前首相(第二次大戦中はドイツ国籍を持っていたそうです。もちろんドイツ語は堪能です。)が選ばれており、同じくドイツの隣国として経済成長しているチェコなどを含め南欧やフランスの低迷をしり目に、ドイツを中心とした中部ユーロッパの時代が来るのでしょうか。

ちなみに、スリランカの宿ではチェコ人もポーランド人と同じくらい宿帳の国籍欄で

見かけました。

 

今までアジアなどの海外旅行先であまり見かけなかった東欧の人が増えてきたというのは、アメリカのIT企業や大学にアジアの人が増えているのと同じように、ヨーロッパでも東欧の躍進や移民により色々な問題を抱えてはいますが、新しい時代を切り開いている過渡期なのでしょう。

 

それに引き替え、日本は「何も変わりたくない」ということでどうなるのでしょう。

国やマスコミが悪いと言っている人もいますが、一番悪いのは無関心な国民が多すぎること思います。(自分も何か出来ている訳ではありませんが。)

エネルギーや食糧の輸入、金融市場、トヨタなどを中心とする世界的企業のことを考えれば、世界がこれだけ動いてきているのに、日本だけのんびり過去にしがみついていられる訳もありません。

どうにか変わってきて欲しいものです。