国民生活基礎調査を見て
7月15日に、平成25年の国民生活基礎調査が発表されました。
私の興味を持っている、世帯の内訳と介護について見てみたいと思います。
※データはすべて厚生労働省「平成25年国民生活基礎調査の概況」から引用
世帯数は未だに増えているのですが、そろそろ頭打ちです。
昭和28年1世帯当たりの人数が5人であったのが、平成元年には3.1人、昨年は
2.51人になっています。
昭和61年でも三世代同居が44.8%と半数近くあったのが、急激に減っているのが解ります。
バブル崩壊後少し時間が経った平成7年でも33.3%と3世帯に1世帯は三世代同居して
いたのが、昨年は13.2%と直近の18年間でもかなり減っています。
平均寿命が延びて要介護者は増えているのに、世帯は分かれる傾向が続いている
と言うことです。
実際に介護をしている人は6割近くが同居の家族で、その内3分の1は子供及びその配偶者です。三世代同居がこれだけ減っているのに不思議な数字です。
これは、自分の子供が独立したあと、親の介護が必要になってから、引き取るか親の家に入っているのでしょうか?
介護をしている人の属性は、意外と男女平等なようです。
上のグラフを見ると女性が多いですが、年齢が進むほど女性が多くなっているということは、その理由が平均寿命が長いからだということが解ります。
住宅関係の仕事をしていると色々な家族を見ますが、夫婦両方が自分の親を同居して介護する介護別居や、同居していても奥さんが自分の親の介護をしに行って疲労しているため、同居している夫の親の介護をご主人に任せているケースなどもあります。
60歳以下の男性が30%いますが、仕事を辞めているのでしょうか?
私が知っているケースであると、仕事を辞めている人もいますし自営業で仕事と両立している人もいます。
(辞めている場合は、ご両親の資産と自分の預金で何とかしているのでしょうか。)
上の表を見ると、前述の同居の子や子配偶者が3割介護をしているのは、三世代同居の
18.4%と核家族で夫婦のみでない13.9%とその他と言うことでしょうか。
核家族で夫婦のみでないということは、未婚の子供ということでしょう。
この割合は、平成22年の12.1%から平成25年13.9%にと増えています。
今後は、データからで見ると単身高齢者が増えてゆきます。
世帯当たりの家族数はずっと減る傾向に進んでいますが、個人的な予想としてはデータからは全く傾向はみられませんが、単身者の多い50才以下の世代が介護者になってゆくにつれて、単身世帯であったのが同居になっていったり、夫婦でも子育てが終わった世代が同居してゆくケースも増えてゆくのではないでしょうか。
私達40才代の世代は、終身雇用や会社への忠誠心、会社への幻想が徐々に崩壊しているのを見てきました。
その中で捨てて行った家族のつながりや地元のつながりが、世界がつながって日本の中での勝ち負けでなく、さらに厳しい世界での勝ち負けになりつつある現在、一部のエリート以外には必要になってくるような気がします。
今後は、今までのように既存の会社に自分のアイデンティティを求めることは出来ないでしょう。
それに代わるものは、家族、会社以外の地域での社会生活、NPOなどの社会をよりよくする活動などになって行き、その時インターネットはそれを急激に促進する手段としてその変化を支えると思います。